創業明治2年・布団を打ち直しして150年以上の歴史を持つ【ふとんの長谷川6代目】長谷川 英則です。「ふとんの達人」としてテレビ東京に何度も出演させていただいております。今回はアレルギー対策と布団について見解を伝えたいと思います。
アトピー性皮膚炎や化学物質過敏症などをお持ちの方は寝具選びで悩むことでしょう。また花粉症をお持ちの方には埃の出にくい布団がよいという情報もあるのですが、それでも完全ではないでしょう。
埃の出にくい布団というと化学繊維になるので蒸れやすい可能性があります。
化学物質過敏症の方に適した寝具はあるのか?
化学物質過敏症はアレルギーとも免疫病とも精神病とも確定されていないようです。要はどの可能性もあり得るとのことでしょう。
化学物質に触れたり、臭いがしたりすると吐き気や眩暈または皮膚炎などの症状が出るようです。
主な原因として一番よく聞くのは塗料関係です(シンナー・クリーナーなど)。
新しく購入した家具を部屋に設置したときなど、塗料の臭いが強いなんてこと、経験した方少なくないと思います。
ベッドのフレームなどにも塗料が使われている場合が多いので、新品を購入した時はものすごく化学的な臭いがすることが多いです。
そこで化学物質過敏症の方に適する寝具として、まずベッドですが、おすすめは「組子ベッド」です。
この組子ベッド(あんばい)は福岡の箪笥職人が有害物質(鉄を含む)を一切使わないというこだわりぬいて作られたベッドです。
ベッドの組み立ては4つ角にくさびを仕込んで組み立てるので組み立て移動が簡単です。
漂白剤も使用していないので、化学物質過敏症の方向けかと思います(必ずしも化学物質過敏症の症状が出ないという保証はありません)。
組子ベッドの詳細はこちらこらどうぞ。
そしてベッドの上に敷く布団(マットレス)ですが、化学物質のものは避けた方がよいです。したがってスプリング式のマットレスは化学物質が使われているのでよくないと思われます。
というと化学物質を全く使用していない布団がベターということなのですが、なかなかそんな商品はありません。
布団の生地にしても柄があるものは塗料が使用されているし、無地であっても漂白剤など使用されている場合もあります。そう考えるとオーガニックの生地がよいのですが、実は100%オーガニックでなくてもあるていどオーガニックが入っていれば「オーガニック」と謳えるようなのです。
ですので、100%オーガニック生地で使用する糸もオーガニックで中わたも100%オーガニックわたである布団がベターと思います。
とは言ってもこれでも完璧ではありません。ただしこれだけオーガニックを集めると金額はかなり高価になってしまいます。
寝具を選ぶにしてもかかりつけの医師に相談した方がよいでしょう。冒頭でもお伝えしたとおり、化学物質過敏症は中毒・アレルギー・精神性・免疫のどれとも特定されていないようなので、一概に化学物質を周りから除去しただけでは改善しない可能性もおおいにありえます。
ただ、本当に化学物質が原因であるならば、組子ベッドや100%オーガニックコットン布団は有効であると思います。
アトピー性皮膚炎の方の布団とは
アトピー性皮膚炎の原因はダニのようです。ということはこのダニを寄せ付けない布団がよいという考えが必然です。
ですが、やはりダニをゼロにするというのは非常に難しいことです。
ダニ防止剤入りの生地を使用した布団もありますが、薬品がついた布団はどうかと思います。
やはり一番は布団の表面を掃除機で吸い取ることでしょう。
手間はかかりますがこれは非常に有効的です。とくに現在は布団専用クリーナーが販売されているのでそれを使用するものよいでしょう。