創業明治2年・布団を打ち直しして150年以上の歴史を持つ【ふとんの長谷川6代目】長谷川 英則です。「ふとんの達人」としてテレビ東京に何度も出演させていただいております。
日本の大部分は湿気が多く、ジメジメしています。とくに梅雨から初秋にかけては、日本中のサウナ施設がすべて解放したかのような蒸し暑さです。
この湿気はカビが発生しやすい大きな要因となります。とくにこの時期に、布団を敷きっぱなしにしているとまさに数学の公式ように黒い斑点が発生します。それがカビです。
ここでは布団にカビが生えてしまった場合の対処方法について解説してきます。
布団にカビが生えてしまったときの対応①
ひとつの方法として漂白剤を薄めて(使う漂白剤の使用方法に基づいて)カビの生えた布団の表面をタオルなどで擦り付けて落とす方法が有効です。ですが完全に落ちない場合もありますし、カビが中綿までしみ込んでいたら中綿のカビは落とせません。(布団生地を傷める可能性が多々あります)
布団にカビが生えてしまったときの対応②
ふとんの打ち直しが有効です。ふとんの打ち直しとは簡単にいうとまず布団を業者に預けます。その後業者は
①布団の生地をはがす
②布団わたをわたを打つ機械にかけてほぐし、同時に殺菌し複数のわたにする
③布団職人が新しい生地にわたを敷いていき布団に仕上げる
簡単にいうと以上の手順できれいにふっくらと蘇ります。
生地も新しくして中綿も殺菌するのでカビが生えた布団にはこれがベターな対策かと思います。
ですが気を付ける点があります。打ち直しできる布団の素材は木綿でなければなりません(お店によって例外もあります)。
打ち直しできる布団の素材の見分け方
打ち直しできる布団の素材は基本的に、木綿素材(コットン)です。ではお手持ちの布団が木綿素材か、簡単に見分ける方法をご紹介します。
まず木綿素材の布団は大部分が職人の手作りで作られたものです。ですので手作り感があります。その手作り感の根拠はここです。
たいていの木綿布団には敷布団・掛布団とわず、4つ角に糸の房があります。全てではありませんがこの糸がついている布団は打ち直しが可能な木綿布団と言っていいと思います。
また4つ角だけでなく、布団の表面にも多数このような糸の房があるのも打ち直しできる木綿布団の特徴です。これらは「綴じ糸」といって布団がずれるのを防ぐ役割を担っているのです。逆に打ち直しできない布団は下の画像のような表面をミシンで縫ったようないわゆるキルティング加工された布団です。
このような布団の大部分の素材は羊毛混(羊毛とポリエステルが混ざったもの)かポリエステル100%の布団です。
このような形状の布団は打ち直しはできな可能性が高いので注意が必要です。
羽毛布団の生地にカビが生えてしまったときの対応
羽毛布団にカビが生えることは、敷布団に比べ確率は低いと思いますが、環境によってはカビが生えることも大いにあります。
羽毛布団の場合、表面にカビが生えても中の羽毛までカビが付着しているかといったらそうでもない場合が多いですね。
でも生地に付着したカビはやはり気になりますよね。カビはアレルギーを誘発する可能性もあると言われており、放っておくのも心配です。
ではどうしたらいいのでしょうか。
一番良い方法は「羽毛布団のリフォーム」です。
羽毛布団のリフォームとは?
羽毛布団のリフォームとは、簡単に言うと
①羽毛布団から羽毛を取り出し
②羽毛を洗浄し
③洗浄した羽毛を新しい生地に吹き込みお客さまにお返しします
生地は新しくなり、羽毛は高温で洗浄されカビは全滅すると言ってよいでしょう。ですが、羽毛布団をリフォームする業者は増えていますが、きちんとした設備を持たずまたは、完全個別管理をしていない業者も少なくないようです。
完全個別洗浄していない業者ですと、他の方の羽毛が混ざったりする危険があります。洗浄方法も羽毛自体を洗浄するのではなく、羽毛を袋に入れて洗浄するのでふっくら度は全然違ってきます。
羽毛布団をリフォームの詳細はこちらからご覧いただけます。