こんばんは。ダウンプロフェッサー・快眠アドバイザー・ピローアドバイザーの長谷川です。今回お伝えする内容は、羽毛布団が販売され始めたとき「羽毛布団は永久物」と言われて販売されていたことがありました。しかしその時代に羽毛布団を買われた方から、「永久物と言われたのだが本当か?」という質問が多くあったので、ここでお伝えしたいと思い、キーボードを叩きました。
羽毛布団どころか寝具に永久物はない
昔も今もお店の人から「羽毛布団は永久物だからいいものを買っておいたほうがいい」などの誘い文句を言われたことがある人も少なくないと思います。
これは何も羽毛布団だけではなく、敷布団なども言われていることもあるようです。ですが実際はどうなのでしょうか。
まず、ダウンプロフェッサーの私の意見を最初にお伝えしたいと思います。
羽毛布団に永久物はありません。
ではなぜ、そのような文言が出てきたのでしょう?確かに羽毛布団は良い質のものならば、耐久性に優れています。したがったより永く使用できるのです。ですが永久ではありません。
では次に良い羽毛の質について話したいと思います。
羽毛布団は高ければ高いほどよいものなのか?
羽毛布団の価格の差って結構あると思いませんか?その理由はなんでしょうか?
羽毛布団のランクは中身の羽毛の差
羽毛布団のランクは中身の羽毛の差がまず第一です。よく「ハンガリー産」「ポーランド産」「フランス産」「ウクライナ産」などという文言をCMやチラシ、ネットなどで見たことがある人も多いかと思います。
食材などではあまり見かけない国ばかりです。実はこれらの国は北欧です。つまり寒い地域なのです。寒い地域で育った羽毛はやはり温かい地域のそれに比べ、ダウンボールが大きいのです。
ダウンボールが大きいということは保温力の高さに優れていると言っていいでしょう。したがって、北欧あるいは北米の産地の羽毛は暖かく耐久性も優れていると言えます。
羽毛の産地偽装問題
日本で販売されている羽毛布団において「ハンガリー産」「フランス庵」「ポーランド産」などと高品質の産地の羽毛をところが以前、記事にもしましたが2016年に全国紙で「産地偽装問題」が取り上げられました。
この一報から業界に緊張が走りましたが、それほど変わってはいません。
未だに羽毛布団の産地偽装はあちこちで行われていると思います(筆者の感想です)。でなければ、あれだけ少ない輸入量にもかかわらず、あちこちで北欧産・北欧産の高級羽毛がたくさん、しかも安く売られているとは考えられません。
話は少しそれましたが、「羽毛布団は高ければ良いものか」という質問に対する答えは
高いほど品質もよい
ということです。これは基本です。羽毛布団と価格は比例します。
しかし無駄に高く販売している業者もあります。例えば側生地をシルクにしたり、さらにはそのシルクに刺繍を施したりなど、私から見れば無駄としか思えません(寝具を芸術として捉えている人がいるならば無駄ではないかもしれませんが)。
そういう側面から見ると、「高いだけがよい羽毛布団ではない」となります。
ではよい羽毛布団の見分け方は?
よい羽毛布団の見分け方
ここでは素人でもよい羽毛布団を見分けられる方法をお伝えします。
商品タグを確認しよう
まずは商品タグを確認しましょう。これは大事です。ですが確認してもわからないという方も多いので「ある程度の基準」をお伝えします。
チェックする部分は
- 側生地の素材
- 詰め物のダウン率
- 詰め物重量
- 産地(種類)
です。まず1の側生地の素材についてです。これは綿100%が望ましいと思います。理由の一つとしてポリエステルは蒸れやすいからです。
羽毛布団の側生地は基本的にダウンプルーフ加工という樹脂加工を施しており、これをすることにより気密性が高まり、羽毛が出てこないで済むのです。
ですが、この加工により羽毛布団は蒸れやすくなっているもの事実です。これが羽毛布団の弱点と言ってよいでしょう。ただでさえ蒸れやすい加工を施しているのに、素材をポリエステルにするということは、価格を安くする目的と思えます。
したがって綿100%が望ましいと思います。
続いて2のダウン率ですが、90%以上が望ましいと思います。安い羽毛布団だとダウン率が80%だったりします。これだとカサが出ず、保温力も落ちるのは必須です。
3の詰め物重量。これは以外に見落としている人が多いものです。安い羽毛布団だと1.1kg以下というものもあります。よほど質がよく大きなダウンボール出ない限り1.1kgは少ないと思います。
私の見解では1.3kg以上をおすすめします。
そして4の産地。先程もお伝えした通り、北欧などの寒い地域の産地がよいのはおわかりかと思います。ただそれが本当かというのがあやしい。基本的に羽毛布団の価格は質に比例すると思います。ですので、北欧が産地だからと表示されているが、3万円を切るような羽毛布団はあやしいかもしれません(もちろん全部が全部でないです)。
現在、私も加盟している日本羽毛ふとん診断協会では産地偽装をなくすべく、原産地証明書をつけた羽毛布団の販売に取り組んでおります。近いうち実現するかと思います。
以上ご参考になれば幸いです。
おわりに
北欧が産地の羽毛といいつつ、中国産の羽毛で中国の工場で羽毛を加工された羽毛を仕入れたものが多いと思います。
しかし、現在の中国はきちんとした工場もあり、優れた羽毛布団を作っているもの事実です。せっかくいい羽毛を加工しているのに「中国産」とうたっていないのが残念ですね。