この記事をご覧になっているあなたは、お手持ちの羽毛布団の羽毛が出てきてしまった、汚れがひどいなどの理由で羽毛布団を打ち直し(リフォーム)しようと検討されていることでしょう。
あっ、ちなみに私は羽毛布団診断の専門家「ダウンプロフェッサー」の資格を持つ長谷川です。
ここでは羽毛布団の打ち直し(リフォーム)の方法と価格設定など専門家ならではの視点であなたに隠すことなくお伝えしたいと思います。判断基準の一つとなれば幸いです。
羽毛布団は打ち直しできない?
羽毛布団は厳密に言うと「打ち直し」はできません。
実は「打ち直し」ができるのは基本的に木綿わたの布団だけです。打ち直しという作業は「わたを打つ」という作業が伴います。昔は「弓」という木の鍬みたいなものを使って振り下ろしてわたを打ってほぐしていました。
今現在は機械を使ってわたを打ってほぐしているのです。なのでわたを打って直すので「打ち直し」というのです。
しかし羽毛布団の羽毛はわたの布団のように「打つ」という作業はしません。なので「羽毛布団の打ち直し」というのは実は存在しません。
専門用語では「羽毛布団のリフォーム」というのが一般的です。しかし布団の打ち直しをしたことがある方は羽毛布団を直すことも「打ち直し」と表現している方が多いので「羽毛布団の打ち直し」という言葉も使っているのが現状です。
まあどちらもきれいになって手元に戻ってくるのは同じなのでどちらでもいいって言えばいいのですが。
羽毛布団のリフォームの工程
簡単に羽毛布団のリフォームの工程を解説します。
店舗での作業
- 羽毛布団をお客さまからお預かりする
- 羽毛布団を点検しリフォーム可能か判断
工場での作業
- 羽毛布団の側生地から羽毛を取り出す
- 羽毛を計量
- 羽毛の除塵(使える羽毛とダメージがあり使えない羽毛を振り分ける・この工程をしない業者もあり)
- 羽毛を洗浄(羽毛を袋に入れて洗浄するケースもあり)
- 羽毛を乾燥させる
- 乾燥後、減った羽毛を補充
- 新しい側生地に羽毛を均等に計測しながら充填
- ミシンで最終縫製
一般的に最低限これだけの工程が必要ですが、コストを削減するためにどこかで作業を省いている業者もあるかもしれないので注意してください。
羽毛布団のリフォーム価格の相場は?
[char no=”3″ char=”中華料理屋コバちゃん”]うちの羽毛布団から羽毛出ちゃったから直そうと思っていろいろ調べてるんだけど価格がなんだかわかりづらいなあ。だいたい相場ってどのくらいなのかなあ?[/char]
羽毛布団のリフォームは様々な業者でサービスを提供しております。先程解説した羽毛布団のリフォームの工程をご覧いただければわかると思いますが、かなり作業に時間がかかります(逆に時間がかからない業者は怪しいです)。
正直価格の相場はばらつきがあるものの、私の感覚ではシングルサイズでは2万円、ダブルサイズでは3万円が最低価格のラインだと思っています。
1万円くらいは私の感覚では安すぎです。薄利多売で頑張っている業者さんかもしれませんが。。。まああまり安いのにはそれなりの理由があると思いますので、安すぎるのはどうかなあと個人的に思います。
羽毛布団リフォーム価格設定の仕組みを解説
羽毛布団のリフォームの価格は以下の3つの要素で決まります。
- 洗浄方法
- 新しくなる側生地の質
- 補充する羽毛の質
より具体的に解説します。
洗浄方法
洗浄方法は業者が採用している羽毛布団洗浄機械によってかなり大きく異なります。簡単な洗浄方法は、側生地から羽毛布団を取り出して、その羽毛を布袋に入れて布袋ごと洗浄し乾燥させる方法です。この方法の場合工程が簡単な分、価格が抑えられるのが特徴です。しかし羽毛自体洗浄するわけではないので、ふっくら度は落ちてしまうのが欠点です。
当店で採用しているのが、羽毛自体を洗浄する方法です。取り出した羽毛自体にお湯・スチームで洗浄したり、より高度な洗浄方法はドラム式の洗濯機で専用の洗剤でじっくり時間をかけて洗浄する方法です。
この場合欠点は時間がかかってしまうので、注文されてからお待たせしてしまうことです。しかしその分よりふっくらとさせてあなたに羽毛布団をお返しするので、満足度は高いと思います。
新しくなる側生地の質
羽毛布団をリフォームすると当然、今まで使っていた羽毛布団の側生地は使えなくなるので新しい側生地を使用することになります。その側生地の質によっても羽毛布団のリフォームの価格は変わります。
羽毛布団の側生地で最も安価なのはポリエステル100%で織られた側生地です。
ポリエステル100%の側生地は確かに軽くてさわり心地も悪くないのですが、最大の欠点は「蒸れる」ということです。木綿にくらべポリエステルは水分を吸収しないので、非常に蒸れるのが欠点です。
「蒸れは快眠の大敵」です。汗をかいてその汗が冷えることで睡眠の妨げになってしまう可能性が高いのです。しかも羽毛布団の側生地は、羽毛が出てこないように「ダウンプルーフ加工」という特殊な加工ですることでより通気性が悪くなるので、ポリエステル100%の側生地は羽毛布団に向かないと思います。
価格を安くするためです。
価格が安いのにはそれなりの理由があります。側生地の価格を抑えれば、当然羽毛布団の価格も安くなるのです。もちろんポリエステル100%の側生地を使っているから全然ダメとはいいませんが、ひとつの判断基準になるかと思います。いい側生地で作られた羽毛布団はそれなりの価格がしますし、使い心地も抜群と私は思います。
羽毛布団の高額リフォーム営業に注意
ここ数年前からよくあるのが「羽毛布団リフォームの高額営業」です。詐欺ではないのですが数十万円もするリフォームを営業してくる業者が少なくないようです。実際にあった例を紹介します。
営業は最初に羽毛布団のクリーニングを提案してきます。これは電話であったり訪問であったりしますが、コロナ禍の中は電話営業が多いようです。
このように「訪問するのが当たり前」のごとく勝手に話を前向きに進めてきますのでご注意を。人間は質問されたら答えてしまう性質があるので、具体的に「いつ頃」などの質問をされたら真面目に考えてしまうものです。
近所とか言って適当な名前を言う可能性もあります。
とこんな感じでアポを取ってきます。ここで大切なのは電話の営業はすべて断ることです。もちろん全部が全部怪しいとは言いません。あなたが信頼している業者で間違いがないとわかれば電話でも対応してもいいと思いますが、半信半疑の場合はすべて断るべきでしょう。
訪問営業は家に入れた時点であなたが不利になります。
そして家に入った時点で相手は話を羽毛のリフォームに持っていきます。
はい!これです!
長くなって申し訳ありませんが、こんな感じのやりとりで相手はせまってきます。ここで気をつけるのが
はじめに高額な金額を提示する
ということです。ここでは28万円という金額を提示しました。高いですよね、と営業マンも共感する言葉を発します。そして次に半額のオファーを提示するのです。
14万円です!!
もちろん14万円も高額ですが、最初に28万円という金額が頭にインプットされているので若干頭が麻痺して14万円が安く感じてしまうかもしれないのです。しかも金利0円の分割支払いを具体的に提示されることで「払えるかも?」と思わせてしまうのが手口です。
そして最後に「限定」を訴えます。他の人に買われたら損と思わせ、今すぐに決断させるのが彼らの常套手段です。
十分注意してください。いいですか?羽毛布団のリフォームで28万円とかないわけではありませんが、現実的ではありません。14万円もです。お手持ちの羽毛布団が100万円以上もするアイダーダックだったらありえますが、通常は数万円ですみます。
高額なリフォームのオファーにはご注意ください。もし迷ったら当店にご相談ください。
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