低反発の敷布団は本当に寝心地がよいの?
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低反発系の寝具はテンピュール社の枕からブームに火が付き、敷布団の素材も低反発が出てきました。独特の沈み心地が気に入っているという方も少なくないでしょう。はたして低反発の敷布団の寝心地はいかがなものでしょうか?
そもそも低反発って何?
低反発素材というものは、反発しにくい素材ということです。具体的に言うと、コンクリートにボールを叩きつけてみると大きくバンドするという様が想像できると思います。つまりコンクリートは高反発ということになります。要は素材に何かが乗ったとき、それを押し返す力、それが反発力です。
コンクリートは極端な例ですが、固めの敷布団の場合、高反発と言えるでしょう。低反発寝具はボールを叩きつけてもあまりバンドしない素材です。つまり沈み込みます。この沈み込みが好きという方もいらっしゃるかと思いますが、これは注意が必要です。
低反発素材は寝返りがしづらい
沈み込んだ布団は独特の感触があり「まるで雲の上にいるよう」などと思われる方も少なくないかと思いますが、低反発素材は寝返りが非常にしづらい点があると思います。基本的に沈みこむので沈み込んだ状態で寝返りをしようとすると、力が必要になります。
ここでまた極端な例をあげますが、コンクリートの上にボールを転がす場合と砂場でボールを転がす場合とでは、同じ力でボールを転がした場合どちらが遠くに転ぶでしょうか?結果は言うまでもないと思います。
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寝返りと睡眠の質の関係
ここで寝返りが睡眠の質にどれだけ影響を与えるかを述べたいと思います。寝返りという行為は必要だから行って(無意識に)いるのです。
ずっと同じ体制で睡眠をとると、仰向け寝の場合は背中が暑くなったり、横向き寝の場合は肩に負担がかかったりするので、ここで睡眠中でも無意識下において寝返りをしてしまうのです。
でもこれは睡眠中の無意識下でのことなので、寝返りの行為において何かしらの抵抗があると寝帰りできず、ずっと同じ姿勢のままで眠っていることになります。これは血流を悪くするので眠りが浅くなり、本来睡眠により疲れを取ることができず朝起きても気だるかったりするなどの症状がでてしまうのです。いわゆるエコノミー症候群と同様です。
化学素材は基本的に水分を吸収しない
低反発素材の寝具の最も核となるウレタンの素材は石油を原料としているので、水分を吸収しないのです。つまり汗を吸わないということになります。
人間は冬場であっても1日にコップ1杯分の汗をかくのです。この汗を吸収しないとなると、それが蒸れて睡眠の質に大きな影響を与えかねません。中にはウレタンを覆う側生地などで水分を吸収・発散させたりするなどの工夫が施してある寝具もありますが、やはり高価になってしまいます。
まとめ
枕はともかく、敷寝具において低反発素材は適さないと思います(個人的意見です)。その理由として
①低反発素材は寝返りがしづらい
寝帰りがしづらい敷布団は睡眠の質が落ちる
②低反発素材は汗を吸わない
汗を吸わない布団は蒸れる
以上の観点から低反発素材の布団はおすすめしません。
ですが、上にあげた弱点を克服する低反発素材の敷布団もあるかもしれません。一度試してみるとよいでしょう。